JOURNAL
解体新書 vol.02|PEATLAND
HI-TEC(ハイテック)は、アウトドアでも日常でもちょうどいい。"使い勝手のよさ"を提案するアウトドアライフスタイルブランドです。そんなブランドのモデル1つ1つにはどんな開発背景があったのか、さらに深掘りしていきます。
第2回はハイテックのラバーブーツ"ピートランド"について、デザイナーからご紹介します。
「ワンアクションですぐ履ける、スッキリとしたシルエットをめざして」
泥炭地。PEATLAND(ピートランド)は直訳するとこのような意味になります。オールラバーなので汚れてもすぐ拭ける、泥汚れにも強いという機能性からプロダクトネームをつけました。
開発のきっかけになったのは雨の日、街中で気軽にサっと履けるレインブーツはあまり無いな、という気づきでした。「THE長靴」といった見た目のものが多く、特に男性の普段履きとしては敬遠されがちです。そこで今回の開発にあたってはハイテックのレインブーツの中でもとくに、デザインも含めた履きやすさを重視しました。
「ミリタリーアイテムの仕組みからヒントを得た、スニーカーのように履きやすいレインブーツ」
履きやすさを追求する中でたどり着いたのが、素早く着脱するための仕組みが詰まったミリタリーのオーバーブーツでした。もともとハイテックはイギリス軍のトレーニングシューズに採用された歴史もあり、ミリタリーにゆかりのあるブランドです。そういった背景もあり、ピートランドにミリタリーアイテムの機能を取り入れることになりました。
センターのガセットタンを跨ぐようにタックボタンと伸縮性のあるゴム紐で止められている構造を採用し、ワンアクションで履きやすいように仕上げています。
さらに履き心地もこだわっていて、ミッドソールが無い分インソールがかなり分厚めになっていることと、足にフィットするようにタイトめな設計になっている点が一般的なレインブーツとの違いです。地面の感覚が伝わりやすくすぐ疲れてしまったり、パカパカと脱げやすかったり…といったレインブーツのありがちなお悩みに対し、ピートランドはスニーカーのように気軽に履いてもらえるというのも特徴のひとつです。
「こだわりぬいたのは、男性でも街履きしやすいスタイリッシュさです」
“履きやすさ”には機能面だけではなく見た目も大きく関わっています。気軽に街履きができるよう、いかにスタイリッシュに仕上げるかが今回のデザイン開発でのポイントでした。防水性のためにオールラバーとなっていますが、ラバーは重ね合わせることしかできないので、どっしりと武骨な雰囲気になってしまいます。ピートランドは重ね目が見えないようにスタイリッシュなフォルムに仕上げました。アッパーの表面に段差が少ないので、汚れを拭きとるのも簡単なんです。
またカラーリングも様々なシーンに合わせられるシンプルなブラックと、アウトドアにもぴったりなカーキの2色展開となっています。とくにブラックはスラックスに合わせて通勤用としてでも自然に履いてもらうことができます。センターのタックボタンがワンポイトにもなっているので、スカートと合わせて履いていただくのもおすすめですね。キレイめなスタイルにもラフな格好にも、男性にも女性にも気軽に履いていただけるレインブーツになっています。