JOURNAL
解体新書 vol.01|EASTEND WP
HI-TEC(ハイテック)は、アウトドアでも日常でもちょうどいい。"使い勝手のよさ"を提案するアウトドアライフスタイルブランドです。そんなブランドのモデル1つ1つにはどんな開発背景があったのか、さらに深掘りしていきます。
第1回はハイテックの定番ハイクスニーカー"イーストエンド"について、デザイナーからご紹介します。
「ライフスタイル×アウトドアブランドをめざすハイテックの中でも、一番の高機能スニーカー」
イーストエンドは、アウトドアブランド・ハイテックの中でもスペックがかなり高い部類の靴になっています。登山靴に用いられるような機能性を日常使いしやすいデザインに落とし込んだモデルなので、登山などのオフロードから街中での普段使いまで幅広く使えてコスパが良いのも特徴です。
「登山靴として開発したアウトドアテクノロジーを、普段使いできる靴に採用したくて」
実はイーストエンドは、シェルパという本格的なトレッキングモデルをベースにしてつくられました。実際に何度も山に登り、試験場で実験を繰り返していたのですが、パフォーマンス性だけではなくデイリーユースしやすいものにしたいと現在のモデルの開発に舵を切ったという経緯があります。そのためイーストエンドには本格的な登山靴・シェルパの技術が引き継がれているんですよ。
特徴は大きく分けて2点あります。ひとつは防水性。透湿防水フィルムを取り入れています。水を通さない防水性能と、靴の中が蒸れにくいよう通気を良くする透湿性を兼ね備えたフィルムです。汗をかきやすい日も雨の日もどんなシーンでも、年中快適に履いていただけます。
あとはアウトソールですね。触るとちょっとぷにぷにしているのですが、砂利道や山道といった不整地でも安定して履けるような衝撃吸収性のあるソールになっています。割合で言うと着地時の衝撃を約70%も軽減してくれるほど。
一般的な靴と比べるとイーストエンドは、ソール全体が地面に対してフラットになっています。これは山登りにも適したフラットフッティングという歩き方がしやすい形で、原型となる木型から新しく設計しています。足裏全体で着地できるので疲れにくく、履き心地は裸足に近い感覚ですね。
「毎日玄関でさっと履きやすいような靴が一番ですね」
もともとハイテックはイギリス軍ともつながりがあったブランドで、日本でもミリタリーがトレンドになっていることもあって相性が良いんですよ。そのためあえて大雑把で複雑なパターン組みや素材を積み重ねて、良い意味での武骨さを意識したデザインにしています。
カラーも最初はブラックとレッドのスポーティなものでした。しかし想像以上に履き心地を評価いただいたことでもっと普段使いできるようなデザインにしたいと思い、以降はよりスニーカーライクなカラーや、アパレルブランドとコラボした大胆な柄ものなど、積極的にデザインの幅を広げています。
これまではどちらかというとメンズライクなモノトーンのカラーリングだったのですが、最近では女性にも好評いただいておりSNSでも取り上げていただくことが増えてきました。足元にボリュームを置いたワンポイントとして、ロングスカートやワイドパンツと一緒に履きこなしている方も多いですね。アウトドア靴の機能を備えているので耐久性も高く、長く履いていただけるシューズになっています。