JOURNAL
HI-TEC PEOPLE #006
リッキーさん | デザイナー・You Tuber
1974年にイギリスで誕生し、世界初の軽量アウトドアブーツの開発や、ランニングやスカッシュ、テニス、サッカーをはじめ、多くのスポーツで歴史を彩る数々の名作シューズを生み出してきた、アウトドア・ライフスタイルブランド<HI-TEC>
HI-TECのウェブコンテンツ<HI-TEC PEOPLE(ハイテック・ピープル)>は、チャレンジをしながら自分らしい人生やライフスタイルを謳歌するさまざまな人物たちにフォーカスしていくシリーズ。
今回は、デザイナーとしてさまざまな空間演出やプロダクトなどを手掛けながら、ファッションを中心としたYouTubeチャンネル「どうもリッキーさん」を運営し、ファッションからライフスタイルまで幅広いトピックスを発信している「リッキーさん(佐藤リッキー)」が登場。
気持ちの良い季節の中、HI-TECの2023年春夏のコレクションの「SILVER SHADOW Ⅱ」にフォーカスしながら、リッキーさんのさまざまな活動の経緯や新たなチャレンジなどのお話をお届けします。
また今回のインタビューと合わせて、HI-TECとリッキーさんのコラボレーションアイテムを特別制作。アンケートページより応募いただいた方から抽選で 「HI-TEC x RIKKI スポーツソックス」 を30名様にプレゼント。
ほかでは手に入れることができない、数量限定のスペシャルコラボアイテム。皆様のご応募お待ちしております。
※「HI-TEC x RIKKI スポーツソックス」の詳しい応募方法、アンケートページはこちらのインタビューページの最後に掲載しています。
コストパフォーマンスが高くて、いい意味で「ちょうど良いブランド」のイメージ。
- 1974年にイギリスで誕生した「HI-TEC」は、トレッキングをはじめ、さまざまなスポーツ分野で名作シューズを開発してきたアウトドアライフスタイルブランドになります。HI-TECにはどのようなブランドイメージをお持ちでしょうか?
リッキーさん:僕は1975年生まれなので、ほぼHI-TECと同い歳になりますね。どちらかというとアウトドアジャンルのシューズブランドのイメージが強いかもです。そういえば、ミリタリー系シューズの「MAGNAM」もHI-TECでしたよね?
- MAGNAMは主にイギリス軍のトレーニングシューズなどに採用されていて、今もHI-TECの別ラインとして展開されています。90年代あたりにコンバットブーツのブームもあってMAGNAMのブーツをきっかけにHI-TECを知っている方も多いです。
リッキーさん:HI-TECのシューズってかなり購入しやすい価格帯ですよね。特にトレッキングシューズは幅広い年齢層の方が履いているし、コストパフォーマンスが高くて、いい意味で「ちょうど良いブランド」のイメージです。
- ちなみに「軽量」にフォーカスした、世界初のトレッキングシューズを開発し展開したのはHI-TECなんです。
リッキーさん:そうなんですね。トレッキングシューズは登山のスタイルによって自分にどれがジャストなのか結構選びますよね。メーカーによっては高機能で価格が高いものもあるけど、高ければ良いというわけでもないですし。僕は自分やその人にジャストなものを選ぶほうが好きなので、高いものも安いものもフラットに見ているんですけど、HI-TECのシューズは価格と機能のバランスがとても良いと思います。
- 今回はHI-TECのアウトドアコレクションではなく、歴代のアーカイブモデルやアイコンシューズにスポットを当てている「ライフスタイルコレクション」から今季復刻登場した「SILVER SHADOW Ⅱ」を履いていただいていますが、スタイリングのテーマやこだわりなどはありますか?
リッキーさん:今日は僕の山中湖の別荘来ていますけど、個人的にはオンとオフでファッションを切り替えたくない派で。別荘に来たからこういうファッションにしようとか、山の中だからこうしようっていうよりは、どちらかというと普段の日常とシームレスになっている方が心地良くて。このランニングシューズはちょっと都会的な雰囲気もあるので、普段よく着ているヴィンテージのリーバイスとミリタリーパンツで気分的にリラックスしつつ、このシューズで都会性を保っているようなスタイリングですね。
- こちらの別荘も良い意味で日常感があっていいですよね。もともとの物件の雰囲気は残しつつ程よいバランスに仕上がっているのが素敵です。ちなみにヴィンテージのデニムジャケットはリーバイスの4thですかね?
リッキーさん:別荘だからって非日常になりすぎてもなんか嫌だなって。やっぱり落ち着つけるっていうのがすごく重要なので、普段の過ごしやすさみたいなものは残しつつ、都会での生活とちょっと違うゆとりみたいなものが感じられるように意識してリノベーションしています。リーバイスの4thは前までは年代的にはすごくいい時代のデニムなのに、誰にも価値を付けてもらえないっていうモデルですね(笑)でも最近は結構いい価値がついてきていて、やっと認められてよかったなって。
- デニムがいい感じの風合いに仕上がっていますよね。ミリタリーパンツもヴィンテージのものですか?
リッキーさん:これは自分でディレクションして作ったミリタリーパンツです。最近はなんだかんだで、古着や自分が作ったものがファッションの中心になっていますね。それに合わせて、ちょっと都会的なグレーカラーのランニングシューズをあえて山で履くのが、逆に自分らしいんじゃないかなと思って。このモデルは他のカラーも展開しているんですか?
- こちらはグレー1色の展開になります。
リッキーさん:1色展開は男気溢れてますね(笑)でも何でも合わせやすそうなちょうど良いグレー。ちなみに日本規格ですかね?
- 本国のアーカイブを再現した日本規格のモデルです。特に大きくアップデートしているポイントとしては、ソールにVibram社の「MEGA GRIP」を採用しているところです。
リッキーさん:たしかにビブラムソールはちょっと意外だなって思いました。でもそのおかげというか、ランニングシューズだけどちょっとミリタリーっぽい雰囲気もあります。
- SILVER SHADOW Ⅱは、1981年に開催されたロンドンマラソンに参加したランナーの2割が着用していたという、ブランドを代表するランニングシューズですが、当時、イギリス軍や消防隊のトレーニングシューズとしても採用されていて。なのでそのような背景も意識しながら開発しています。シルエットやアッパーは忠実に再現しながらも、今の時代に合った新しさや面白さが出たらいいなと思い、機能的なビブラムソールを採用しています。
リッキーさん:ランニングシューズだからか、ちょっとつま先側が上がっているのが、また面白いバランスですね。
- 少しつま先側が上がったロッカー構造にして、歩くときや走るときのローリング運動をしやすくし、足運びや体重移動をスムーズにしています。
リッキーさん:ソールにボリュームがあってなんとも言えないミックス感がいいですね。そもそも復刻って復刻の時点でオリジナルには絶対勝てないから、個人的にはアップデート部分は全然あってもいいんじゃないかなと思います。でもこういう当時のデザインって狙ってもなかなかできないので、いい意味で「程よい野暮ったさ」みたいな雰囲気が残っているのもいいですよね。
音楽ならもしかしたらまだ伸びしろがあって、これから大逆転があるかもしれないって、音楽やろうってなった。
- 続いて、さまざまな方面で活動されているリッキーさんのこれまでの経緯やルーツなどおうかがいできればと。もともと生まれ育ちが東京のことでしたが地域はどちらでしょう?
リッキーさん:生まれは大田区です。でも僕が暮らしていた頃の大田区は全然都会じゃなくて(笑)だから当時は渋谷とかに憧れはあったし、東京生まれではあるけど都会人とは思ってなかったですね。でもある意味「リアルな東京人」という意識はすごくあります。
- 今では主にファッションを中心にさまざまな話題を発信されているYouTuberとしても活動されていますが、昔からファッションは好きだったんですか?
リッキーさん:ファッションは学生の頃から好きでしたね。最初に自分でお金を出して洋服を買ったのが、たぶん中2か中3ぐらいの時かな。そのころ原宿の塾に通っていて、日曜日の特別講座に行ったときに、ちょうど代々木公園でフリマやっていて。その時にはじめて自分で洋服を買った思い出があります。
- 時代で言うとちょうど「渋カジ」が流行っていた頃ですかね?
リッキーさん:そうですね。デニムにブーツを履いたりとか。たぶん中学校で一番最初にブーツ履いたのが自分で。僕が履いていたのはペコスブーツで、バックルがなくてガバッと履くタイプのブーツだったので、わからない人からは長靴とか言われていた覚えがあります。大田区は見た目がビーバップハイスクールみたいな人ばっかりだったので(笑)
- そういう時代ですよね(笑)
リッキーさん:だから周りから見たらかなり異質なファッションだったんじゃないかな。自分はもともとヤンキー系とかはそんなに興味がなくて、なぜか物心ついた時からアメカジっぽい格好が好きでしたね。ファッションは今に至るまでいろいろ一通り通ってきていますけど、やっぱり自分の原点はアメカジで。大学の時もバイトしてお金貯めて、毎年1ヶ月ぐらいアメリカに行っていました。モーテルからモーテルへ泊まり歩いて、ただアメリカにいるっていう感じの旅をしていて。でもそんなロードムービー的な旅がかっこいいと思ってましたね。
- ちなみに大学卒業後はファッションやデザイン関係でなく、音楽の活動をされていたとか?
リッキーさん:大学にいた頃は特に大きな志とかはなくて。大学卒業のときも全然就職する気になれなかったんですけど、1社だけここならいいかなみたいな軽い気持ちで受けたんですけどやっぱり受からなかった。まあ当たり前ですけど(笑)僕が受けたのは音楽事務所で、最初は音楽を作る裏方側で面接をして、最終面接までいったんですけど、その時事務所の社長に「君はまだ働きたくないはずだ」って言われたんです。そこで「たしかにまだ働きたいかどうかわかんないですね」みたいなことを生意気に言っちゃったら案の定落ちて(笑) じゃあ裏方が駄目だったら人前に出る側をやろうかなと思ってミュージシャンの活動を始めました。
- もともと学生の頃から音楽はやっていたんですか?
リッキーさん:学生時代はこれで食っていくぜみたいな意気込みではやっていなかったかもしれません。でも、どこかにはあったんだと思います。大学卒業前ぐらいなんですけど、何となく自分の今までを客観視して考えたときに、自分にはこれからあまり大した可能性ないなって思ったんですよね。そこそこの大学でしたし(笑)。変な話、なんでもこなせる器用さみたいなものがあるって自分で自覚していたんですけど、唯一一番成績の悪かったのが音楽だったんです。自分が得意なものだと、大体これぐらいのレベルまでいけるかもって何となくイメージできる気がしませんか?己を知る力量があるっていうか・・。一番見えなかったのが不得意だった音楽で。だから逆に音楽ならもしかしたらまだ伸びしろがあって、これから大逆転があるかもしれないと思って、音楽やろうってなったんですよね(笑)
- 一番苦手な分野で勝負するって、普通の感覚だとなかなかできることではないですよね。
リッキーさん:でも実際、現在ミュージシャンとして活動できてないので、今だったら得意なことを伸ばせってやっぱり思いますけどね(笑)
あまり深く考えず自由にやっていたデザインの方が自分らしく活動できた。
- 音楽活動のほかに、インテリアやライフスタイルアイテムを中心に取り扱う「CIBONE」にも勤められていたそうですね。
リッキーさん:その音楽事務所は候補生みたいな感じで所属していたんですけど、2〜3年続けてもうまくいかなくて。そんなときに、その事務所の近くにCIBONEができたんです。じゃあここで心機一転でアルバイトして、ちょっと切り替えてみようと思って働き始めたのがきっかけですね。
- そのとき在籍されていたのは青山の店舗ですか?
リッキーさん:そうです。今はもう移転していますが、当時はその音楽事務所からすぐ歩いて行けるところにあって。で、行ったみたらすごい自分の好みで、めちゃくちゃ面白かったんですよね。こういうとこだったらちょっと働いてみたいし、音楽と半分ぐらい距離を置いてみようかなっていうことで始めました。
- 当時はインテリアにも興味があったとか?
リッキーさん:そのときはインテリアが大好きっていうことでもなかったんですけど、デザイン性の高いインテリアと一緒に洋服とか見たこともない雑貨が並んでいるのを見て、その感じが自分の価値観と合うと思ったんですよね。ジャンルや値段もさまざまだし全体的なミックス感が面白くて。
- たしかに2000年代前半の頃に、インテリアショップでファッションやライフスタイルアイテムなど一緒にセレクトして提案しているお店は珍しかったですよね。今でこそそういったショップは多いですけど、CIBONEはその先駆けだったような気がします。
リッキーさん:で、しばらく音楽活動とCIBONEを両方続けていたんですけど、当時僕のマネージャーだった音楽事務所の女性が、バンドでもやってみたらって提案してくれて。それでバンド始めてみたら何となくうまくいって、ツアーとかにも出るようになったので、そのタイミングでCIBONEを辞めた感じですね。CIBONEいた時、表向きは華やかでも内側では結構大変な部分も多くて。みんなある種泥臭くやっているわけですよ。でも、そうやって頑張っている経営者の方や会社の姿を見て、俺も音楽をちゃんと泥臭くやんなきゃ駄目だなって思い直したんですよね。
- そこから今のデザイナーのお仕事にはどのように繋がっていったんでしょうか?
リッキーさん:実はCIBONEにいるときに、時々デザイン関係の仕事が来ていたんですよ。単にセンス良さそうとか、インテリアショップにいるからできるでしょ?みたいな感じだったんですけど(笑)。インテリアショップで働いている人って、デザイン系の専門学校出ている人とか、建築系の学校出ている人が多いので、僕が窓口になってその人たちと一緒に展示会の内装を作るみたいな流れで。で、誰もできないところは自分が独学で勉強しつつ、クライアントさんから言われたお題に対してその都度その都度答えてくっていう感じでやっていたら、少しずつデザインのお仕事が増えていって。ミュージシャンは結局10年以上はやっていたんですけど、それと並行しながら、依頼いただいたデザインのお仕事は続けていました。
- そこからだんだんとデザイナーのお仕事がメインにシフトしていった感じですか?
リッキーさん:バンド活動はコツコツやっていくって決めたので、ライブハウスでコツコツやっていくんですけど、やっぱりその世界にはその世界のルールがあって、そのルールに合わせるとうまくいくんですよ(笑)結果的にはそのルールに合わせすぎて、そのうちそのルールで戦うプレーヤーになっちゃって。目指していたのは、いろいろな人に聞いてもらえることだったのに、ライブハウスで受けるにはこうしたらいいよねってなっていって、どんどんライブハウスのスケール感のバンドになっていくんですよね。。
- バンドも1人じゃないですし、いきなり大きく方向性変えていくっていうのはなかなか難しいですよね。
リッキーさん:それに対してデザインのお仕事の方は、クライアントから投げられた球を言われたとおりに打つだけなのである種自由というか。来る球もさまざまで、それにどう打ち返すのもある程度自由だし、決められたフィールド内で自由にできるけど、音楽は自分発信なのできっかけも自分で見つけなくてはならないので。デザインは誰かの意思に沿っているので、そのときそのときでヒントをもらえている感覚ですね。いろいろな球を打っていくうちにデザインもそこそこ仕事になってきたって頃にバンドが解散しちゃって。今振り返ると、目標を持ちながらも結果的にはそこそこ合わせにいってしまってた音楽活動よりも、あまり深く考えず自由にやっていたデザインの方が自分らしく活動できたってことなんじゃないかと思っています。
- 人生とかタイミングとかって不思議な流れというか、巡り合わせみたいなものを感じますよね。
リッキーさん:これも人生なのかなみたいな。まあバンドがなくなったらデザイナーになるしかないんで(笑)別に有名なデザイナーなわけじゃないから、当初はそんなにバンバン仕事が来るわけではなかったけど、やっぱ誰かからの紹介とか、僕の仕事を見た人からの依頼とかで、そういうつながりからの仕事が繰り返していくうちにいつの間にかデザイナーになっていましたね。
バラバラなんだけど自分っていう軸によっていかに1つの世界にまとめられるかが、ファッションでもインテリアでも一番楽しいところ。
- 現在はYouTubeチャンネル「どうもリッキーさん」を運営され、メンズファション系の人気YouTuberとしても活躍されていますが、チャンネルはスタートしてからどのくらいですか?
リッキーさん:YouTubeは今年でちょうど3年ぐらいですね。
- リッキーさんのこれまでの経緯を聞いてきましたが、それまで特にファッション業界に大きく関わっていなかったていうのがまた興味深いなと。
リッキーさん:そう、実はないんですよね(笑)
- UOMOなどのメンズファッション誌でモデル出演されていたのはお見かけしていましたが。
リッキーさん:僕自身はおじさんの読者モデルみたいな感覚でやってますけど(笑)でもYouTubeを始めた頃に、雑誌で見たことあるって言ってくれる人もいて、そういう活動もちゃんと繋がっていくんだなと。YouTubeでファッションを語る上での信用にもなっていると思うので、モデルとして声をかけていただいた雑誌にはとても感謝しています。でも、はじめは別にファッション専門のチャンネルにしようとは思ってなくて、大人が互いに色々な知識を共有できるようなものがやりたいなって思っていたんです。音楽でいうと、例えばレコードのB面の曲が当たりだったり、レコードに入っている曲が全部繋がって完成していることもあるし、そういう感じの大人の教養みたいなものを発信できたらなって。
ファッションでいえば、流行りだけで固めたファッションは格好悪かったり、高いものにも安いものにも良さがあったり、合う合わないとかあるし。そういう自分の思ったことや経験とかをロジカルに伝えることができたら良いなって思ってやっています。そう考えると、やっぱりファッションが一番身近な話題だし、みんなとの共通言語になりやすかったのかもしれませんね。
- チャンネルはいつも拝見していますが、今までファッション業界に深く関わっていなくて、あの知識量やトレンドのキャッチする早さはすごいですね。
リッキーさん:たぶん自分自身が今までファッション業界に大きくたずさわってこなかったからこそ、よりファッションへの意識や興味が強いのかも。だから変にファッションをカテゴライズせず着れたり、自由に発信もできる。
- 今でこそメンズファッション専門のYouTubeチャンネルは色々ありますけど、数年前まではそんなになかった気がします。
リッキーさん:たしかに当時は大人向けのファッション系チャンネルは少なかったと思います。特にハイファッションとユニクロのような一般的なファッションを、両方とも上手く発信できる人はあまりいませんでした。自分自身が見えていて、自分に合うものを自分の価値観でフラットに探せる人がおしゃれだし、それがかっこいい大人だと思うので、価格もジャンルもボーダーレスに紹介できて、大人の人が見てもらえるチャンネルっていうのを意識しています。
- あとはヴィンテージや古着の話題も多いですよね。
リッキーさん:やっぱり僕らの世代はみんなヴィンテージ好きですよね。もちろん僕も知らないことはまだまだたくさんあるけど。当時はヴィンテージもめちゃくちゃ流行っていたし、と思えばみんなハイブランドを買っていた時期もあったり。僕らの世代はその時その時の流行がはっきりしていたので、たくさんのファッションの遍歴を経て、自分のスタイルを確立している方が多い気がします。好きなジャンルがあって、ずっとそれを着ている人もめちゃくちゃかっこいいですけど、僕はその経験した全てが好きなまま大人になりました(笑)。
-リッキーさんのチャンネルは、インテリアやバイクとかその時々で色々な話題もチョイスしたり、それをリラックスしながら楽しんで発信している感じがあって、独特なフリーキーな雰囲気を感じます。
リッキーさん:CIBONEのセレクトもそうでしたけど、バラバラなんだけど自分っていう軸によっていかに1つの世界にまとめられるかが、ファッションでもインテリアでも一番楽しいところなのかなと思うので、そういうことをYouTubeで話して共有していって、自分なりの楽しさを見つけてもらえたら、どんどん世界が面白くなるんじゃないかなって思っています。
共感してくれる人が増えて、それぞれの世界が広がって、みんながより良い日常が送れるようになれば幸せ。
- 年齢でいうともう少しで50歳という節目を迎えるなかで、今年の4月には渋谷区の都議会議員選挙に出馬というかなり大きなチャレンジをされましたが、どのようなきっかけや思いがあったんでしょうか?
リッキーさん:実はデザインを手がける前から思っていたことなんですけど、いっぱい作っていっぱい売ろうぜみたいな規模の大きなビジネスには、以前から少しモヤっとしたものがあって。もちろんそのほうが消費者も関わる人も含めて、多くの人がハッピーなんだけど。ただ1万個なら1万個売った価値がしっかりあるものを作りたいし、それを目指してずっとデザインをやってきたんですけど、それも限界みたいなものも感じていて。それと同時に、世の中もいっぱい売れればいいじゃんって感じじゃなくなってきている気がするんですよね。
- たしかに資本主義のジレンマというか、少し限界点みたいなところまで来ているような感じはします。
リッキーさん:そう考えた時、これからはいっぱい作っていっぱい売ろうっていうことよりも、家族だったり、友達だったり、自分の目の届くというか、もう少し実感のあるところで何か仕事ができないかなと。地域のために仕事をするっていうことは、その仕事のクライアントは僕の身近な人たちになるわけで、僕ならその身近な人たちに対してWin-Winな仕事ができると思ったし、区議会議員をビジネスとして捉えたらすごくやりがいのあるビジネスだなって思って、今回立候補してみました。たぶんほかの政治家っていう人たちとは考え方がそもそも違っていると思うし、そういう考えが軽いと捉える人もたくさんいそうですけど。でも僕はそういうスタンスで政治に対して向き合っても、成果が出せるんじゃないかなっていう自信はあったんです。
- 「身近な人=クライアント」という発想はなかなか面白いですね。今までやってきたクライアントワークと同じことと考えれば、地域の仕事でもデザインの仕事と変わらない姿勢で取り組めそうです。
リッキーさん:ただ、デザインだとターゲットがある趣向に偏るというか、あえて絞りますよね。対して、地域というのは、クライアントの多様性が幅広いんです。それぞれの生活があってそれぞれの目標がバラバラなんです。そんな中で1つの地域性が生まれるって凄いことだと思っています。なので、おのずと変化はゆっくりになる。これは、PTA会長やボランティアを重ねていくうちに見えてきた、ビジネスにおけるデザインと地域の大きな違いですね。
-地域や生活者となると、一般的なビジネスとは違ってなかなかすぐには意識や行動を方向転換するのは難しいかもしれませんね。
リッキーさん:そうですね。そう考えると今回は惜しくも落選してしまったけど、今回の選挙に関しては、自分が立候補することによって一度意識してもらえたっていうぐらいがある意味正解だったのかなって思っています。僕の選挙ポスター見た時点で、ふだん政治家として見たことないような人が立候補しているってことは、皆さん感じてると思うんで(笑)その上で、地域の方々に、少しづつスタンスや考え方を伝えていく。これでいいんです。地域って、ゆっくりなんです。
- やっぱり今回選挙に立候補しなければわからないことだったので、そういう気づきがあったっていうことだけでも今回のチャレンジは大きな一歩でしたね。
リッキーさん:はじめての選挙でしたけど、それでも40票差という当選するかしないかギリギリぐらいの票をもらえるぐらいみんなに支持してもらえたので。そういう意味でも、やっぱり自分が立候補したっていうアクションは決して小さくなかったし、僕自身も地域のために本当にできることはなんだろうって、またゆっくりと向き合っていく時間ができたなって。デザインにしろYouTubeにしろ選挙にしろ、自分のアクションによって自分に共感してくれる人が増えて、それぞれの世界が広がって、みんながより良い日常が送れるようになればそれはもう幸せですし、それが50代に実現していたら最高ですね。
自分が信じたものや、やりたいと思ったものに関しては、その瞬間は1人だけど、一歩踏み出すってことがやっぱり重要。
- 今回、HI-TECとリッキーさんとのコラボレーションということで、スペシャルなスポーツソックスを制作しています。リッキーさんから「KEEP WALKING WHEN YOU FEEL ALONE(孤独を感じても歩きつづける)」というメッセージをいただきソックスにデザインしていますが、この言葉にはどのような思いがありますか?
リッキーさん:そもそも今回選挙に立候補するって決めたのって僕自身ですけど、やっぱりはじめは超孤独な気持ちだったんです。選挙について何も分からなかったんで(笑)
- 選挙となると大きな覚悟がいりそうですよね。もしかしたらそんなに気を張ることではないかもしれませんが。
リッキーさん:誰でもそうですけど、何か新しいことに挑戦しようって思う時ってすごい孤独なんですよね。特に選挙となると、デザインやファッション界隈の人で立候補して当選している人って少ないから、どういうふうにしたら良いかっていう正解もわからなかったし。でも歩き出すと不思議と仲間がついてきてくれて。だから自分が信じたものや、やりたいと思ったものに関しては、歩き始めてしばらくは1人だけど、一歩踏み出すってことがやっぱり重要なのかなと。今回のことで特にそう感じたので、そういう気持ちや行動を後押ししてくれるようなメッセージをソックスに込められたらいいなと思って、デザインしてみました。
挑戦心を後押ししてくれるようなメッセージですね。いつでもいくつになっても新しいチャレンジはできる。今回応募いただいて当選した方は、ぜひこのソックスを履いてどんどん新しいチャレンジに歩んでいって欲しいですね。
リッキーさん:実はまた少し音楽活動してみようかなって思っているんです。時間が経って向き合い方も変わって、今なら力を抜いて楽しめそうだなって。あの日の音楽とデザインの関係性が逆転したかたちになるから、うまくいくかもしれませんよね(笑)これからもやりたいって思ったことはどんどんチャレンジしていきたいなって。やっぱり人生1回きりだし、その時やりたいことをやった方がいいですよね。
リッキーさん(佐藤リッキー)
デザイナー・YouTuber
東京生まれ。大学卒業後、音楽活動やインテリアショップ「CIBONE」のビジュアル・イベント企画を担当。 独立後はデザイナーとして、さまざまな空間演出やプロダクトなどを手掛けながら、ファッションを中心としたYouTubeチャンネル「どうもリッキーさん」を運営。 ファッションやライフスタイルなど幅広いトピックスを発信。
Instagram:
@rikkisato
YouTube:
https://www.youtube.com/c/duomorikkisan
SILVER SHADOW Ⅱ
1981年に発表された「シルバーシャドウ」は、同年のロンドンマラソンでは参加したランナーの2割が着用し、当時の英国軍や消防隊のトレーニングシューズとしても採用されていた、ハイテックを代表するランニングシューズ。シリーズの中でも根強い人気があった「SILVER SHADOW II」の、当時のボリュームシルエットなどデザインを忠実に再現しながら、アウトソールには優れたグリップ性能を持つVibram®「MEGA GRIP 」を搭載し、復刻アップグレードしています。
アイテム詳細>>
SHOP LIST>>
※ショップリストページの「LIFESTYLE」アイコンが掲載されているショップをご覧ください。
※店舗によりお取り扱いがない場合もございます。
PRESENT CAMPAIGN
このたび、HI-TECとリッキーさんで特別制作した「HI-TEC x RIKKI スポーツソックス」のプレゼントキャンペーンを開催。
6/15(木)- 6/30(金)の期間、HI-TEC公式インスタグラム@hitec_japanをフォローいただき、下記の応募アンケートページより応募いただいた方より抽選で30名様にプレゼントいたします。
ラインの入ったミドル丈のリブソックスをベースに、左右の後面にリッキーさんのメッセージ「KEEP WALKING WHEN YOU FEEL ALONE(孤独を感じても歩きつづける)」と、HI-TECのロゴとリッキーさんのサインの刺繍を配置。両足つま先にはブランドの創業である「EST. 1974 FROM ENGLAND」を編み込んでいます。
ほかでは手に入れることができない、数量限定のスペシャルコラボアイテム。皆様のご応募お待ちしております。
<プレゼントキャンペーン詳細>
■応募期間:2023年 6月15日(木)- 6月30日(金)
■カラー:WHITE x BLACK
■足のサイズ:25cm-27cm(ONE SIZE)
■その他詳細・注意事項
・HI-TEC公式インスタグラム@hitec_japanをフォローいただいた方のみご応募可能となります(すでにフォローいただいている方はそのまま応募いただけます)
・ご応募はお1人様1回までとなります。
・ご入力いただいたお送り先情報にお間違いがないようご注意ください。
・当選は2023年7月中に商品の発送をもってお知らせさせていただきます。当選・落選のお問い合わせは承ることができませんので、あらかじめご了承ください。
・商品お届け後の交換は承ることができません。
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