JOURNAL
HI-TEC PEOPLE #004 <後編>
ジェリー鵜飼 | アートディレクター・イラストレーター
HI-TECのウェブコンテンツ<HI-TEC PEOPLE(ハイテック・ピープル)>は、ブランドが長い歴史の中で、テクノロジーを駆使しながら数々の名作シューズを作り、時代を彩ってきた背景になぞらえ、チャレンジを続け、時代を躍進するさまざまな人物たちにフォーカスしていくインタビューコンテンツ。
第4回は、登山やアウトドアをライフワークとしながら、アートディレクター、イラストレーターとして幅広く活動する「ジェリー鵜飼」さんが登場。インタビュー前編に引き続き、アーティストとしての活動や、「ULTRA LIGHT(UL)」に傾倒していった経緯、「ULTRA HEAVY」の活動、東京と八ヶ岳の2拠点生活となった背景をお届けします。
また今回のインタビューと合わせて、HI-TECとジェリー鵜飼さんとのコラボレーションアイテムを特別制作。インタビュー後編に掲載のアンケートページより応募いただいた方から抽選で 「HI-TEC x JERRY UKAI コラボレーションバンダナ」 を30名様にプレゼント。
さらに、コラボレーションバンダナにジェリー鵜飼さんの直筆サインを入れ、特別に額装したスペシャルなアイテムを1名様にプレゼントします。
ほかでは手に入れることができない、数量限定のスペシャルコラボアイテム。皆様のご応募お待ちしております。
※「HI-TEC x JERRY UKAI コラボレーションバンダナ」の詳しい応募方法、アンケートページはこちらのインタビューページの最後に掲載しています。
※プレゼントキャンペーンは2021年12月31日(金)をもって応募締め切りとなりました。当選は2022年1月中に商品の発送をもってお知らせさせていただきます。
重いシューズはそれだけでストレスになるので。僕は山では軽い靴しか履かない。
- 今回は“ADAPTER(アダプター)”の新作「OCOTA SLIDE(オコタスライド)」ともう1つ、HI-TECのメインのアウトドアコレクション“HIKE Series(ハイクシリーズ)”の21年秋冬の新作「EASTEND MID(イーストエンド ミッド)」も履いていただいていますが、モデルの印象はいかがでしょう?
鵜飼:軽くていいですね。だいぶ軽量。
- 鵜飼さんといえばやはり「ULTRA LIGHT(UL)」にかなり傾倒されている方なので、「軽量」というスペックはとても重要なポイントですよね。最近は軽量なシューズで登山される方も多く、1つのトレンドにもなっているので、そのあたりも意識してアウトソール自体を軽量設計しています。
鵜飼:さっと登るライトな登山とかハイキングで使えるし、街中でもストレスなく履けそうです。
- そうですね。デザインとしては90’sのアウトドアシューズのディテールを意識していて、スニーカー用途で普段のファッションにも合わせやすくしています。
鵜飼:ちょっと試しにこのシューズにアイゼンを装着してみたんですけど、娘と一緒にサクッとスノーハイキングするぐらいなら使えそう。稜線とかは少し厳しいかもだけど。
- 見た目にギア感が増してすごくカッコいいですね。ちなみにスノーハイキングは結構体力使いますか?
鵜飼:そんなことないですよ。冬は雪が地面のでこぼこを隠してくれて、木の根とか石とかがなくなるから、スリーシーズンよりも雪の上の方がサクサク歩けますね。
- このモデルは氷上や雪上のトレッキングの用途は想定していなかったのですが、とても面白い提案ですね。今後のHI-TECの商品開発に新たな可能性を見出せそうです。
鵜飼:崖とか硬いところを蹴り込むのはこれだと少し弱いんだけど、駐車場から1〜2時間のハイキングだったら全然十分いけると思います。
- ちなみにカラーとしては、今履いていただいているブラックと、もう1色サンドベージュの2色展開になります。鵜飼さんはシューズの色の好みとかはありますか?
鵜飼:特に好みとかはないですね。このモデルはどちらの色も合わせやすいカラーですし、普段のファッションにも合いそう。それとこのシューズは全体的にミリタリーっぽい雰囲気も感じます。
- デザインやカラーリングは、今のファッションやアウトドアのトレンドカラーなどを意識しています。このモデルも透湿防水の素材を採用しているので、履いていただけるシチュエーションはかなり広いかと思います。
鵜飼:あと、価格的にも買いやすくてコストパフォーマンスが高いっていうところも魅力ですね。若い方でも買えるプライスレンジですし。でもやっぱり何といってもこの軽さがいいですよね。重いシューズはそれだけでストレスになるので。僕は山では軽い靴しか履かないです。
ULっていう思想を聞いて、こういうのがあるんだって思った時に、このスタイルは自分に向いてるかもなって。
- 鵜飼さんはアーティストの活動とともに、登山やアウトドアにも本格的にはまっていったということで、やっぱり鵜飼さんといえば「ULTRA LIGHT(UL)」の印象が強いのですが、ULに傾倒していったきっかけや経緯はどんなものだったんでしょうか?
鵜飼:もともと、周りにモノがない状態っていうのがすごく好きだったんです。学生の時に一人暮らししていた家も友達が遊びに来ると「え?これだけ?」って言うぐらい全然家具がなかったの。一度、色々なカルチャー本を出版されている都築響一さんという方が「賃貸宇宙」という本を作る際に僕の家に撮影に来られたんですけど、「この家モノが全然ない!」ってびっくりしていましたね(笑)
- その家がどんな状態だったのか見てみたかったですね(笑)
鵜飼:そもそもそういう「ない」っていう状態が大好きだったのと、2009年ぐらいにULっていう思想を聞いて、こういうのがあるんだって思った時に、このスタイルは自分に向いてるかもなって。軽くしたいっていうよりは、少ない荷物で山に行くっていうのに結構魅力を感じて。
ちょうどその頃にスタイリストの岡部文彦くんに、ファッション誌のGOOUTで「SOTOKEN」っていうアウトドアの連載を始めるから鵜飼さんデザインやってもらえないかって声をかけてもらったの。その時はまだ登山やアウトドアの道具などはあまり買ってなかったんだけど、ちょうど興味が出てきていた頃だったから「ぜひやりたい」って言って、岡部くんからテントとか道具とかいろいろ教えてもらって。 岡部くんに遊びやギアの良いところを学ばせてもらいながらも、自分だったらこういうギアを買いたいなっていうのがだんだん出てきて、ULにはまっていったという感じですね。
- もともとは道具の重さ軽さじゃなくて、ボリュームの多い少ないっていうところからだったんですね。
鵜飼:最初はそうだったんだけど、やっぱりそこから道具自体を軽くするっていうのにもはまっちゃって。グラムを量ったりしてね(笑)
- ULにはまる方は必ず道具の重さを量りますよね。で、これは持っていく、これは持っていかないとか判断して荷物をどんどんミニマムにしていく。
鵜飼:「一番軽いのは俺だ!」っていうぐらいやってやろうみたいな。痩せ我慢しながら(笑)
- (笑)ちなみにその頃、登山で何泊もされたりすることもあったんですか?
鵜飼:僕は2泊3日とかで長くても3泊ぐらい。でも1泊2日が多いかな。本当はもっと休みをとってガッツリっていうと思うんだけど、なかなかできないよね。
- お仕事されててご家族もいるとなると、ロングトリップはなかなか難しいかもしれませんね。ちなみに先ほどお話しにあったSOTOKENは10年ぐらいGOOUTで連載されていましたよね。
鵜飼:10年ちょっとかな。総集編として今までの連載を1冊にまとめたものも出版しました。
- 日本もキャンプやアウトドアはかなり一般化して、今ではライフスタイルの中でほぼ定番の遊びとなりましたが、10年前はまだ今ほど盛り上がってはいなかったですよね。
鵜飼:GOOUTの雑誌が始まった10年ちょっと前の頃は、すでに「GOOUT CAMP」っていうイベントは開催されていましたけど、その時は本当に30人とか50人くらいしか人がいなくて。まさかここまで人気が出るとはって感じですよね。ただ、80年代とかにもオートキャンプのブームはあったので、そういうのが今また繰り返しきているのかもしれません。
- GOOUT CAMP にはHI-TECも何度か出店していまして、また機会があれば出店する予定です。ちなみにSOTOKENの連載だと当時パックラフトの特集がとても興味をそそられました。
鵜飼:本当は、いわゆるホワイトウォーターって言われるような急流をガンガン攻めていくのが、パックラフトの本来の魅力はだと思うんだけど、僕らはあまり危険なのはやりませんでしたね。娘とちょっと遊ぶぐらいなら、ぶっちゃけホームセンターでも売っているゴムボートでも十分楽しいですし。でも川ってやっぱりいつもと景色が違って見えるし、電車で行ってパックラフトで川下りしてバスで帰ってくるっていうのもまた一味違ったアドベンチャー感があって面白いですね。
- 途中でちょっと河原にボートつけて、焚き火したり食事したり。かなり男心がくすぐられるような冒険感はありますよね。今でも川や湖で遊ばれたりしますか?
鵜飼:そうですね、東京の自宅の近くにすごくいい川があって、娘と毎日のように行ってます。山もいいけどやっぱり川も楽しいですね。
ULの違う楽しみ方を表現するっていうのが「ULTLA HEAVY」の1つの面白い活動かなって思ってやっています。
- また、鵜飼さんの別の活動として「ULTLA HEAVY」のユニット名で、スタイリストの石川顕さんとアーティストの神山隆二さんの3人で、イベントやコラボレーションなどもされていますが、ULTLA HEAVYは実際どのようなプロジェクトなのでしょうか?
鵜飼:ULTLA HEAVYの説明って難しくて。何をやってるんですか?って聞かれたら自分でもうまく言えないんです(笑)3人がやりたいなって思うことを、3人がタイミングの良い時にやっている、という感じですかね。みんななかなか忙しいからね。
- ULTRA LIGHTにはまっていった鵜飼さんが、言葉としては真逆のULTLA HEAVYという活動をされているのが非常に面白い流れですよね。そこにはどのような考え方があるのでしょうか?
鵜飼:ULにすごいはまってどんどん道具を軽くしていましたけど、そもそもULは「レイ・ジャーディン(アメリカ人のハイカー。ウルトラライトハイキングの源流となる人物)」がパイオニアで最初に言い出して。昔は大きなアウトドアメーカーが「こういう格好して山に行きなさいよ」って提案して、それをみんなが言われるがままにやっていたんだけど、レイ・ジャーディンのULの思想というのは「そうじゃなくて、自分で自分の装備を考えなさい」っていうことだったと思うんですよね。もうちょっと道具は軽くしてもいいんじゃないかとか。
そこからULっていう概念が始まってのちに日本にも入ってきたんだけど、やっぱり日本人ってすごい真面目だから、ULはこうじゃなきゃいけないってどんどん追っかけて。さらにメーカーが「今年のギアはさらに軽量化して去年より何グラム軽くなった」とか「耐水圧どれだけ上がった」とか、毎年どんどん新しい機能を発表するでしょ?で、自分の道具を軽くするためにメーカーの言われるがままに毎年今年の方が軽いから買おうとかやっていると、だんだんなんかコレってちょっと違うなってなってきてね。
- 確かに軽量という言葉だけを切り取って傾倒してしまうとキリがなくなってしまうかもしれませんね。
鵜飼:やっぱり自分がULに魅力を感じたところって、それとはまたちょっと違うなって思って。そしたら石川さんからまさにそういうタイミングで「鵜飼くん、ULTLA HEAVYという名前で何かやらない?」って誘われて、もしかしたら自分が今考えていることを表現できるかなって思ったの。例えば、軽量のバックパックにワッペンをペタペタ貼るとか、タイベックシートにイラストや柄をプリントするとか。僕としては「ULの違う楽しみ方を表現する」っていうのがULTLA HEAVYの1つの面白い活動かなって思ってやっています。
- もちろんバックパックにワッペンを貼るとその分重たくなりますし、イラストや柄も本来は機能的には必要ないので、そういった相反するものを組み合わせたらとても面白そうですよね。
鵜飼:ただ、別にわざわざ僕が作ったワッペンを買わなくてもよくって。古着屋で面白いワッペン買ってきて貼るとかでも全然いいと思うんだけど。やっぱり日本人って真面目だから、みんな僕のワッペン買ってくれるの(笑)
- 日本人の特性なのか、ギアの性能や軽さにハマると集中してかなりのめり込んでしまうし、メンターやトレンドに影響を受けて、素直にそのまま行動することが多いかもしれませんね。じゃあ3人で活動される前からすでにULTLA HEAVYという名前が生まれていたんですね。ULTRA LIGHTの鵜飼さんに、ULTLA HEAVYを誘う石川さんのお人柄もまた面白いですけど(笑)
鵜飼:そうそう(笑)でも僕がそこにいないと多分ULへのアンチテーゼみたいな感じになってしまうので、それはやっぱりカッコよくないよね。みんなの頭が「え?」ってなってハテナが出てくるのが面白いんですよ。荷物が軽い人と重い人が一緒に山に行くのもいいですし、僕の周りの友達なんかは、逆にめちゃくちゃ荷物重くするのが好きって人もいて、その人と一緒に山に行くのも楽しくて。同じスタイルとか同じ派閥とかそういうのはあまり関係ないかなって。
- 確かにそれぞれの好きな格好で好きな道具を持っていけばいいわけですよね。ちなみにULTLA HEAVYはどのくらい活動されているんでしょうか?
鵜飼:7年ぐらいかな。もう結構長いですね。
- ULTLA HEAVYとしての活動だと、ブランドやアーティストとコラボレーションしたり、ポップアップイベントでセレクトショップでTシャツにシルクスクリーンプリントなどやられてたりしていましたよね?
鵜飼:イベントはなかなか最近はやれてないんですけど、もしかしたら来年ちょこちょこってまた動き出すかもしれない。まあそれもまたその時のみんなの気分ですね。
ただ軽いからだけじゃなくて、僕の山の楽しみはこうだよっていうのを伝えたくて。
- 鵜飼さんは執筆活動もされていて、今まで3冊ほど著書を出版されていますが、もの書きをされるきっかけや経緯はどのようなものだったんでしょうか?
鵜飼:どっちかというと、もともと文章を書くのはすごい苦手なんですよ。あんまり上手いとは思ってないけれども、個展をやるときにイラストの作品だけじゃなくて、自分がULを好きな理由は、ただ軽いからだけじゃなくて、僕の山の楽しみはこうだよっていうのを伝えたくて。それでこの「記憶の地図」を一番最初に書いたんです。
この本を書いた当時、娘が1歳だったんだけど、毎週娘を背負って山を歩いてたの。週2ぐらいのペースだったんだけどそれがすごい楽しくて。子供と一緒だし重いからそんなに険しい山も行けないので、人があまりいないような低山を探して行ってました。はじめは高尾山ばっかり登っていたんだけど、やっぱり人気があるしすごい混んでるから、人がいないような山がないかなあって思って。で、ずっと地図見ていたらちょっとずつちょうど良さそう山が見つかってきて、そこに行ったら誰もいないわけ。そういったスポットを自分で見つけて娘連れて行くっていうのが楽しくて、こういう山遊びもあるなと思ったんです。
- そういう気持ちや体験を言葉にしてみようという感じでしょうかね?
鵜飼:山を歩いているといつもすごいいろんなこと考えるんだけど、考えて考えて最後まで結局わからないことが多くて。でもそのうち、それって別にわからなくてもいいんだってことにも気づいて、そのことを言葉にして言いたかったんですよね。
- 少し禅問答のような感じもしますね。それからもの書きすることがだんだん面白くなってきたり、少し板についてきた感じでしょうか?
鵜飼:文章は相変わらず全然上手くはならないんだけど、書くことに少し意欲が出てきて、イラストとは違うものをかたちにするのもいいかなと思って書いていますね。
- イラストだけではその時の自分の気持ちを全て表現できなかったり、完全に表現できたとしても受け手側の方すべてに伝わらないことは多いと思います。でも文字でも伝えることで作品の解像度がより上がりますし、その背景にある鵜飼さんの気持ちを表現できるので、とても良い方法かもしれませんね。
鵜飼:あと、みんなもこういうことやればいいのになっていうのもあって。インスタグラムで投稿するような感覚で、自分の気持ちを本や動画や歌でも何でもいいから表現してもいいんじゃないのかなって思いますね。
- 先ほど、学生の時にZINEを自分で作って周りに配っていたというエピソードをお話しいただきましたが、それと同じような感覚で著書も出版されている感じでしょうか。
鵜飼:一緒ですね。今までの著書は全部自費で出版していて。自分で書いて自分でデザインして入稿してっていう感じなんだけど、出版後に見てみると誤字脱字ばっかり(笑)
- (笑)でもそれはそれで味があっていいかもしれません。
鵜飼:音楽で例えるとパンクミュージックみたいな感じかな。下手くそだけど勢いで音源出しちゃうみたいな。
- スリーコードで誰でも音楽ができるってことですね。著書の中でもこの「THE MAN WHO SLEPT IN AN APPLE(林檎の中で寝た男)」なんかは少し絵本の要素がありますが、お子さんと読める本を作りたかった言う感じでしょうか?
鵜飼:なんかこれ書いたときの気持ちって少し熱くてうまく言えないんだけど、コロナの影響もあって、今までよりいっそう大人ってしっかりした人じゃないと許されないみたいな。今の世の中って人あたりが強くて厳しいじゃないですか。
- そうですね。社会の常識とかルールとか世間体とか。特に今ではSNS上で世知辛い場面やそれによる悲しい出来事が多く見られます。
鵜飼:そう。だから僕は大人ももうちょっと馬鹿な感じでもいいんじゃないかなと思って。「鵜飼さんは大人なのにこんなくだらないこと考えちゃってんだ」っていう本を作りたかったの。これなんか内容は小学生が考えたぐらいのレベルなわけ。でもそれをあえて一生懸命やりたいなあと思って。
- まさにパンク精神ですね。先ほどのお話しにもありましたが、日本人はいい意味でも悪い意味でも真面目ですし、余計に規律を守ったり、周りの目を気にしすぎたりするようなところも若干あるかもしれません。
鵜飼:そう、間違いや失敗を許さない感じとかね。ちょっと人と違う道を歩いちゃったときに集中攻撃するところなんかはやっぱりあんまり好きじゃなくて。そういう気持ちがこの本を書いた背景にあります。
八ヶ岳のことはもうよくわかっていて、冬はあそこに行けばいいなとか、色々知っているところがあるので楽しめる。
- 鵜飼さんの最近のライフスタイルについてですが、今は東京のご自宅と、今日お邪魔させていただいている昨年購入された八ヶ岳のアトリエの2拠点で生活されていますが、そのようなライフスタイルになったきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
鵜飼:実は、別荘は以前からずっと探していて。カメラマンの見城了くんが「Cabin Porn(キャビンポルノ)」っていう、面白い場所に建っている世界中の小屋がたくさん紹介されているアメリカのサイトを僕に教えてくれて。ちょうど10年前か11年前ぐらいかな。それを見て自分もこんな小屋が欲しいなって思って、それからずっとインターネットで物件を探して。いい家があったら10年前に買ってもよかったんだけど、その頃はまだ少し値段が高くてね。だんだん物件の値段が下がってきたタイミングにこの家が出ていて。建物の外観が好きだったし、中は気に入らないところが何箇所かあったけど、そこはリフォームすればいいかなって思って購入しました。
- Cabin Pornのサイトは見ていて飽きないですよね。ちなみに今はやっと内装が整ったところでしょうか?
鵜飼:まだ全部終わってなくて、これからまだ色々と手を加える予定。毎週ここに来て少しずつゆっくりやっていこうかと思って。
- リフォームのイメージやコンセプトは、やっぱり影響を受けられたCabin Pornに掲載されていた小屋でしょうかね。
鵜飼:よく雑誌とかに載っているお金をかけたリノベーションはなるべく見ないようにして。そういうのを見ちゃうとね、こうしたいああしたいとか出てきてお金かかっちゃうから、なるべく海外のお金がかかってない家を参考にしています。
- 自分の中でイメージして、自分のアイデアと工夫で作り上げていくと、鵜飼さんのオリジナルの空間となっていきそうですね。これからは冬のシーズンとなりますが、ここのアトリエには暖炉もありますし、冬の八ヶ岳の生活も楽しそうですね。
鵜飼:そう、暖炉用に薪割りすることもここでのライフワークの1つ。あと、八ヶ岳のことはもうよくわかっていて、冬はあそこに行けばいいなとか、色々知っているところがあるので楽しめると思います。都内から行くとなると早朝に出発しないといけないけど、ここに泊まればのんびりスタートできる。
- 朝はゆっくり朝食をとって、コーヒーを1杯飲んでから山に行けますもんね。鵜飼さんのインスタグラムを拝見させていただくと、お子さんと山や自然の中で遊ばれている投稿をよく目にするので、お子さんと一緒にいる時間を大切にしているんだなってとても感じます。
鵜飼:それが僕の生活のメインになってるね。娘と一緒に山を登るのが楽しいんですよ。あそこまで行ったらもっといい景色見れるんだけどなっていうところのだいぶ手前でもう帰ろうかってなるんだけど。それはそれでなんかいいかなって。
- 自然の中で子育てできる環境や機会は、その場所に拠点がないとなかなかできませんよね。
鵜飼:どうせあともう10年もしたらパパと遊びたくないってなるからね(笑)まあそれはそれでちゃんと育っている証拠なのでいいと思うんだけど。別にそんなにお金をかけなくても面白い生活ができるってことをゆっくり伝えていきたいですね。
- 鵜飼さんは常に自分のオリジナルの考えを大切にしていて、自分らしい人生やライフスタイルを求められている感じがします。一般的なことや当たり前のことから少し外れることは、実はそこまで大した問題じゃないですし、逆にそれが豊かで唯一無二の自分だけのライフスタイルをかたち作っていくんだなと。ちなみに、そのほかに最近になって興味があるモノゴトはありますか?
鵜飼:なんだろう。あんまりないかもしれない(笑) 変わらずっと子供と遊んでいたいですね。一緒に登る山も100mずつ標高上げてくみたいな。
- 確かに、お子さんの成長とともに行けるところも変わってくるのも1つの楽しみですね。同じ山を登るでも、お子さんが成長すればまた新しい景色を見ることができますし。しかも、アトリエのリビングの壁がボルダリングできるようになっているので、あっという間にお子さんの登山スキルが発達しそうですね。ちなみにゆくゆくはお子さんにこうなって欲しいとかありますか?
鵜飼:夢はやっぱり子供を一緒に富山の雷鳥沢とか雲の平とかテント背負って3泊4日とか行ってみたいけど、そこまで一緒に歩いてくれるかはわからないですね(笑)
このまま自分の在り方を続けたいですね。キープというかむしろもうちょっとのんびりやりたいぐらい。
- 昨年2020年よりコロナ禍となって、世の中全体の意識やライフスタイルがガラッと大きく変わってきましたが、鵜飼さん自身、普段の生活やお仕事で変わったことはありましたか?
鵜飼:大学卒業してから今までずっとフリーでずっと自分の部屋で仕事をしてきたから、実を言うとあんまり変わらなかったかな。
- 以前から家にいて、家で仕事して、人があまりいない自然の中で遊んでいたから、このような状況でも鵜飼さんの生活は変わらなかったんですね。逆に周りが変わったという。
鵜飼:そう、あとは外食もしないわけ。昔からずっと自炊。だから本当にあんまり生活は変わらなかったね。
- 最近は少し落ち着いて展示やイベントもちょっとずつできるようになってきましたが、昨今の鵜飼さんのアーティスト活動の状況はいかがでしたか?
鵜飼:ちょうど自分の活動の場を少しずつ個展にシフトしていくつもりで、コロナ禍になるちょっと前ぐらいからデザインの仕事を減らしていたんだけど、でもそのタイミングに展示やイベントがやりにくくなっちゃったから、そういう部分ではちょっとだけ出鼻をくじかれた感はありましたね。でもそれはしょうがないことだし、逆にゆっくりめのスタートは自分に向いていたのでかえってよかったかもしれません。
- 鵜飼さんのイラストは色々な雰囲気の作風がありますが、やっぱりそのときの自分の気持ちや世の中の雰囲気などで変わっていく感じでしょうか?
鵜飼:そう、特に最近はPCはなるべく使わなくなってきたので、絵の雰囲気はこの2年で大きく変わってきているかもしれない。
- これから年齢が60歳、70歳と歳を重ねていくにつれ、今後鵜飼さんが求めるご自身の人生のあり方や理想はありますか?
鵜飼:今の自分の在り方をそのまま続けていきたいですね。キープというかむしろもうちょっとのんびりやりたいぐらいかな。
- じゃあこれからは少しずつアクセルを緩めながら?
鵜飼:もう実際緩めつつありますね。
- 今までなかった時間を持つことで、また新しい興味とか面白いことが生まれる可能性もありますし、そうすると鵜飼さんの作品もまた色々と変化していくかもしれないですね。
ジェリー鵜飼
アートディレクター・イラストレーター
1971年生まれ。アートディレクター、イラストレーターとして活動。数々のアーティストのCDジャケットや、ファッションブランド、アウトドアブランドとのコラボレーション、広告、カタログなどを手掛る。登山やアウトドアをライフワークとしながら、個展の開催や執筆活動を積極的に行い、スタイリスト石川顕、アーティスト神山隆二とともに「ULTRA HEAVY」としても活動。
Instagram:
@jerry_ukai
EASTEND MID WP
オフロードでの機能性をベースにしたマルチユニバースデザインで、山から都会まで、あらゆるシーンを踏破するHI-TECのアウトドアコレクション “HIKE Series(ハイクシリーズ)”より登場した、オフロードからストリートまで対応できるミッドカットタイプのハイキングスニーカー。90’sのアウトドアディテールを落とし込んだ堅牢なデザイン。高グレードの透湿防水メンブレンを採用した「DRI-HI STORM」を備えた全天候型モデルです。
アイテム詳細>>
SHOP LIST>>
※ショップリストページの「OUTDOOR」アイコンが掲載されているショップをご覧ください。
※店舗によりお取り扱いがない場合もございます。
PRESENT CAMPAIGN
HI-TECとジェリー鵜飼さんで制作したスペシャルアイテム「HI-TEC x JERRY UKAI コラボレーションバンダナ」のプレゼントキャンペーンを開催。
12/16(木)- 12/31(金)の期間、HI-TEC公式インスタグラム@hitec_japanをフォローいただき、下記の応募アンケートページより応募いただいた方より抽選で30名様にプレゼントいたします。
みんなで山や緑など自然の中を楽しむようなピースフルな絵柄に、ジェリー鵜飼さんのオリジナルキャラクター「ジェリーマルケス」やHI-TECのロゴを組み合わせたアートピースのようなアイテムとなっています。
さらに、今回制作したコラボレーションバンダナにジェリー鵜飼さんの直筆サインを入れ、特別に額装したスペシャルアイテムを1名様にプレゼント。
ほかでは手に入れることができない、数量限定のスペシャルコラボアイテム。皆様のご応募お待ちしております。
<プレゼントキャンペーン詳細>
■応募期間:12/16(木)- 12/31(金)
■カラー:ONE COLOR
■サイズ:52cm x 52cm
■その他詳細・注意事項
・HI-TEC公式インスタグラム@hitec_japanをフォローいただいた方のみご応募可能となります(すでにフォローいただいている方はそのまま応募いただけます)
・応募アンケートページでご希望のアイテムをお選びください(バンダナ単体とサイン・額縁入りバンダナ、両アイテム同時にご応募いただけます。
・ご応募はお1人様1回までとなります。
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・当選は2022年1月中に商品の発送をもってお知らせさせていただきます。当選・落選のお問い合わせは承ることができませんので、あらかじめご了承ください。
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※プレゼントキャンペーンは2021年12月31日(金)をもって応募締め切りとなりました。当選は2022年1月中に商品の発送をもってお知らせさせていただきます。
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